seven kisses

先輩は最初、驚いた顔をしたけど、すぐに穏やかな表情になって、私を抱きしめた。



「汗臭くて、ごめんね。」



一言だけ言うと、ほとんど他の乗客がいない車両で、先輩はずっとそうしていてくれた。

幸せ過ぎて、夢を見ているみたい。

なのに整理しきれない感情のせいか、胸の痛みは増して行くばかりだ。

こんなチャンスは二度とないかもしれないのに、先輩の腕の中で泣くのを我慢していたら、いつの間にか私が降りる駅に着いてしまった。



でも、先輩は、何も言わずに一緒に電車を降りてくれた。

そして、誰もいないホームでベンチに座ると、いきなり私の手を握るから、ドキドキが止められなくなる。



........先輩、この手はどういう意味なんですか?

私なんかに、どうしてそんなに優しくしてくれるんですか。

こんな私でも、少しは希望を持っていいんですか..........