seven kisses

その日から、拓巳先輩の自主練に付き合った時は、私が降りる駅まで送ってもらうのが定番になった。

どんどん好きな気持ちが膨らんで、切なくなることもあったけど、それでも先輩と二人の時間を持てるだけで、十分幸せだった。

回を重ねる毎に、先輩が打ち解けて行くのがわかって嬉しい。

寒くても、風が強くても、毎日、毎日、部活の時間が待ち遠しくてたまらなかった。



そうこうしているうちに、あっと言う間にまた春が来て、先輩達の引退試合が近付いて来た。

寂しいけれど、これはわかっていたこと。

今はただ、拓巳先輩の活躍を信じて、無事にその日が終わるのを祈るだけだ。