seven kisses

「梨絵ちゃんはサッカー好きなの?」

「好きになりました。先輩のおかげで。」

「え?」

「入学式の前に、ずっと一人で練習してる先輩を見たんです。ものすごく真剣でカッコ良かった。釘付けになっちゃいました。」

「うっそ、何、それ?」

「先輩、サッカー上手じゃないですか?レギュラーだし。なのに、いつもあんなに自主練して、すごいです。」

「すごくないよ。あぁしないと、俺くらいの実力じゃレギュラーになれないんだ。体だって、ちっちゃいし。」

「そんなことないです。」

「そんなことあるんだよ。体格にも才能にも恵まれた奴、例えば大浦みたいなのが、うちの部にはゴロゴロいるだろ?俺みたいのは努力するしかないんだ。」