胸を高鳴らせながら見学を続けるものの、何十人いるかわからない部員たちに囲まれると、あまり大きくないあの人は埋れ気味に見える。

でも、大柄な部員達をドリブルで抜いていく背中には何となくオーラがあって、この前見たのと同じ真剣な眼差しには闘志が漲っていて...........

気が付くと、時間が経つのも忘れ、あの人を目で追っていた。

まるで、恋しちゃったみたいに。



「サッカー好き?」

「え?」

「さっきから、ずっと見てるから。」

「いや、あの、えっと........。」

「一年生でしょ? そんなとこで見てないで、こっちおいでよ。」