春田さんを待ち、10分が経過した。
10分間、誰一人話さなかった。

-ガチャ-

春田さんが戻ってきた。
その後ろには派手な服装を着た男の人が立っていた。

「こいつが最後のメンバーや」

「初めまして~多部晴希でっす」

印象はとにかく派手。
そしてハイテンション。

「さて、本題に入るんやけど…」

ここに集められた6人。
何をするのか疑問に思っていたことが今明かされる。

「…この6人で、歌手デビューしてもらいたいんだ」

か…しゅ…で…びゅ…?

「「「えええ!?」」」

皆声を揃えて驚いた。

いきなりなんなん…?
そんな心の準備なんもできてへんよ…!

「俺は、おまえらの才能に賭けたい。俺はおまえらの実力だけでスカウトしたからな」

春田さんは自信に溢れた表情で言った。

「…やってくれるか?」

私は、確かに不安もある。
けど心のどこかでは
"やりたい"と思っていた。

「「「はい!」」」

またも皆声を揃え、強く言った。

「よし、おまえらを、導いてやる」

春田さんは笑顔で言った。

これが、私の未来を変える一歩となったんだ。