あいアイ愛


アイラ視点*

「皆さん、席についてください」

小太りの叔母さんが、教室に入ってきた。

みっちゃんと離れた私は、ずーっと席で大人しくしていた。
そんな時、前の席の子が突然振り返ってきた。

「ね、どこ中出身??」

ナチュラルメイクの良くも悪くもない顔立ち。
私は笑顔で返す。

「第二中!!」
「まぢ?私は第一!!」
「私、アイラ。よろしく!」
「沙織!!よろしく!」

沙織は、無邪気に笑う。

そんな時。

ガラッ。
突然ドアが開いたと思ったら。

すっごい背の高い金髪の・・・

「カッコイイ・・・」

誰かが呟いた。
入ってきたのは、すっごいイケメンだった。

しかも、彼が腕に抱えていたのは・・・

「あ、朝の・・・」
「アンタ、コイツの知り合い?」

私の呟きを聞き逃さなかったイケメン君が、私に言った。
イケメン君が抱えていたのは、今朝の小動物みたいな子。

「えっ・・・この子生きてる?」
「知らん。気づいたら死んでた」
「し、死んでたぁ?!」

担任がヒステリックに叫んだ。
せんせー、帳簿落としてますよー。

「ん・・・」

担任の声で、小動物ちゃんが目を覚ました。
わー、つぶらな瞳!おっきいのぉ。

小動物ちゃんは、瞬きをして、自分の体を見下ろした。
そして、自分がどんな状況に居るのか知るため、上を向いた。
そこには、イケメン君の顔があった。

「んだよ」
「いやーーーーーー!!!」

また倒れた。