6時間目の授業はあっという間で。

先生が何の話をしてたかなんて
全然わかんなくて、

私の頭の中は拓哉のことでいっぱいで。


やっぱり別れたくなんかなくて、
でももう辛い思いはしたくなくて。


どうすればいいのかわかんないまま
迎えた放課後。


私は拓哉のもとへ行った。


「ねぇ、拓哉。
今日どこか遊びに行こ?」

「...ごめん、帰る。」

「ま、待って!」


思い出すら作らせてくれないの?
そんなに私のことが嫌い?
今日までだから。
だから今日だけは、お願いだから・・・

「今日は一緒に帰ってほしい。」

明日からは他人だから。
せめて今日だけはお願いを聞いてください。


「...わかった。」


思いが伝わったのか、拓哉は頷いた。