目覚まし時計が鳴る。 私は反射的にアラームを止め、すっくと起き上がる。

 午前4時40分。あと10分で家を出なければ遅刻だ。私は自衛隊や消防士にでもなれそうな勢いで身支度を整え、家を出る。

 いまは2月で、この時間の平均気温は―2度。 それでも、起きれないなんてことは絶対にあり得ない。
 
 なぜなら遅刻なんてしようもんなら、死ぬより恐ろしいことが待っているからだ。
 
 そう。だから、寒いとか眠いなんていうのは昔懐かしい甘えであって、そんなこと思っている余裕はない。

 6時代の山の手線はそこそこ混んでいる。家を出る頃はまだ真っ暗だが、山の手線で、巣鴨を通る辺りで、段々夜が明けてくる。

 今日もまた、恐ろしくハードな一日が始まろうとしている。

 そんなことを考えてるうちに新宿に到着。6時半。 辺りはまだ薄暗いが、 人の往来はかなり多い。