殺気を全開にした
もう我慢の限界だった
「そいつをいいから離せ」
地を這う声でそう、いうと顔がだんだんと青ざめていった
弱いくせに…
「桐行くぞ」
「は、はいっ!」
支えるように立ち上がらせてからこの場を立ち去ろうとした
「待とうか?柚」
舌打ちをしたい思いに陥った
聖……___
「なんのようだ」
振り向かずにそう言うと
「俺の許可なしにそいつ連れて帰ったらダメだろー」
そう、バカにしたような口調で言った
許可…?
「別に、勝手だろ
そもそもこいつを連れ出した時点でお前らに選択肢はない」
「は?」
「こいつは俺の仲間だ。
仲間を守るのに許可なんかいらねぇんだよ」
バイクまで歩みを進めたとき、微かに聞こえた聖の声
「仲間だと………__?」
それにどういう意味が込められているのか私にはわからなかった


