「それではこれで、文化祭の出し物やメインイベントの候補者が決まりました。みんなで文化祭まで協力して頑張っていきましょう」



パラパラと拍手が聞こえ、



大東君のおかげでなんとか候補者も決まって、



ホッとしながら、席に座った。



「さっきは、どうして立候補してくれたの??」



その日の帰り際、どうしても気になって大東君に聞いてみると、



「だって、彩城さんが困ってたから……」



そう言い終え、そのあとに少し遠慮がちな口調で、次の言葉を続けた。



「……それに彩城さん、なんだか俺を避けてたよね??」



「えっ、そんな避けてなんか……」



「避けてたよ。俺の気のせい?? 絶対気のせいなんかじゃなかったよね??」



「…………」



たしかに大東君の言っているとおり。



あたしは大東君を意識的に避けていたから。



思わず黙ってしまったあたしに、



「でもいいんだ。こうして普通に彩城さんと話せるのが嬉しいから」



と、ニコッと微笑んで見せた大東君。