幼なじみな彼☆ふたりのHappy Birthday

文化祭の資料を手に、笑ってごまかすあたしに、



香奈と麻理はそれ以上何も聞かなかった。



休み時間を終え、席に戻ってきた大東君。



さっきまで一緒にいたあの女の子とはどうなったんだろう。



なぐさめてそれで終わり??



それとも女の子の涙につられて付き合うことにしたの??



聞きたくても聞けないことが頭の中をグルグルと駆け巡る。



「彩城さん、それって、文化祭の?」



それなのに、大東君はいつもと変わらず、



あたしの机にある資料を見て、話しかけてきた。



「あ、うん。そう」



あたしは、そんな大東君の顔をまともに見ずに、素っ気なく答えた



目を合わせないあたしに気づいたのか、



大東君は視線をあたしに向けたまま、



「彩城さん??」



少しだけ顔を近づけてきた。