幼なじみな彼☆ふたりのHappy Birthday

……イヤだ……こんなの見たくない。



近くで見ているわけではないのに、



大東君の細くて長い指が、その子の髪を撫でるたびに、



胸の奥に何かが突き刺さるような感覚になった。



やめて……もうやめてほしいって、



そう思っている自分がいて、



どうしてかな……。



“これ以上見たくない”



そんな感情が一気に込み上げてきた。



「月魅、どうしたの??」



何も言わず、教室に入るあたしを不思議そうに見る香奈と麻理。



ただ大東君が女の子と一緒にいるだけのこと。



そんな見慣れた光景なのに、



自分でもどうしてなのか分からなかった。



すぐにあとから教室に入ってきた香奈と麻理に、



「ごめん、なんでもないっ。文化祭のことでやらなきゃいけないこと思い出したから」



慌ててその場しのぎの言い訳をした。