幼なじみな彼☆ふたりのHappy Birthday

「月魅は実行委員だから、大変だよね。香奈も協力するからね」



「なんか大変なことあったら、あたしたちでよければなんでも言ってね」



「うん。ありがとうっ」



こんな風に言ってくれる友だちがいるってだけで支えになる。



文化祭が終わるまで、これからは確実に放課後も残ることが多くなるけど、



頑張ろう!!って思えるから。



「ねぇ、見て、見て。大東君と一緒にいる子、この間のギャルじゃない??」



香奈の指差した廊下の隅に見えるのは、



ひときわ背の高い大東君の背中と、うつむく女の子の姿。



たしか、彩夏ちゃん……だっけ??



「あれって、まさに大東君に告って振られて撃沈したって感じ??」



女の子のほうは、泣いているのか下を向いたまま動かない。



女の子を泣かせてしまったからか、



その子の肩には大東君の手がそっと伸びていた。



「うわっ、大東君がギャルに触ってるっ!!」



肩をポンポンっと、軽くを乗せていたかと思ったら、



大東君はその子の髪を、なぞるように優しく指先で何度も撫でていた。