幼なじみな彼☆ふたりのHappy Birthday

「いらっしゃいませ」



バイト先のコンビニで、笑顔でレジを打つ。



最初は緊張して、笑顔すら作れなかったけど、今はこんなに自然。



「ありがとうございました」



仕事はレジの他にも品出しや掃除なんかもやる。



思っていたより大変だけど、店長も他のスタッフもいい人ばかり。



「彩城さんは、たしか雫丘高校だよね? あんなレベルの高い学校だとさ、勉強とバイトとの両立って大変じゃない??」



隣りにいるのは、時々バイトが一緒になる本多さん。



本多さんは、大学生で、あたしより年上。



あたしの通う雫丘高校は、偏差値も高くて、この辺りでもかなり有名。



「まぁ、でもそうでもないですよ。それにここのバイト、楽しいですし」



進学率も他校と比べものにならないくらい高いらしい。



「雫丘高校って、部活も盛んだよね? 特にすごいのは、サッカー部!!」



「ああ、サッカー部ですか……部員も多くて、練習も大変そうですよ」



「全国大会の予選、勝ち進んでるよね。地元としては、頑張ってほしいよ!! 俺、絶対応援しちゃうもんね」



全国大会常連校だから、それだけ周りの期待も大きいサッカー部。



「特に背番号10番の皆元君だっけ?? 彼はすごいよね」



そのキャプテンのミナトには、当然、責任やプレッシャーもあるはず。



でも、ミナトは周りにそんなのを感じさせない。



サッカーをしているミナトは本当に楽しそうで生き生きしているから。