幼なじみな彼☆ふたりのHappy Birthday

「別にそんなの意識してないよ……ただなんとなく、たまにメールがくれば返信したりするだけ」



「ふ~~ん。なんだか、じれったい感じだねぇ」



「ミナト先輩も、もっと強引に押してけばいいのに」



“好きになれるかなんて分からないよ”



“月魅ちゃんが俺を好きになってくれるまで待ってる”



何度となく断っても、そう言いづつけるミナト。



ミナトを知れば知るほど、



ミナトのことをもっと知りたいって思う自分がいるのに、



どうしても、ミナトを好きになる自分を想像できないでいた。



“ごめんなさい……このまま待ってもらっても無理かもしれない”



あたしのそんな言葉にさえ、



“大丈夫。俺さ、気が短いわけじゃないし、気長に待つよ”



優しい表情で微笑むミナト。



曖昧な距離のままでいるのを選んでるのはあたしのほう。



それなのに、ミナトが女の子と一緒にいるのを見かけると、



なんだか胸の奥がギュッと痛くなったり、



心のどこかで、いつまでもあたしを諦めてほしくないって思う。



それって、矛盾してるよね。