女の子たちに囲まれるようにして歩いていく大東君。



楽しそうにはしゃぐ女の子達とは反対に、



大東君は、ほとんど表情を変えることはなかった。



そんな大東君の後ろ姿を見送るように見ていると、



「あれはちょっとモテすぎでしょ??」



すぐそばで、香奈の声が聞こえた。



「月魅、帰ろっ♪」



「あ、うん」



香奈の隣りには麻理もいて、同じく大東君を眺めていた。



「ちょっと大東君、かわいそうじゃない?? あんなんじゃ、クラスの男子に馴染めるわけないし」



香奈が呆れながら、そう言うと、



「大東君、ある意味、アイドル的な存在になっちゃてるよね。まぁ、あの顔だから、仕方ないかもしれないけどさ。それにしても、なんなんだろうね、あの女たちは……」



麻理も苦笑いして、香奈の言葉に頷いていた。