「そういえばさ、なんで彩城さんは部活に入ってないの?」



その日の授業も終わり、すぐに席を立とうとするあたしに、大東君が聞いてきた。



「ん?? あたし……?? う~~ん、なんでかなぁ」



廊下には大東君を待ついつもの女の子の集団。



その子達の突き刺さるような視線が、あたしに向けられていた。



あたしと普通に会話していることすら、いい気はしないんだろうね。



「あたし、なんでものめりこみ過ぎちゃうところがあるから、部活入ったら、それ以外のことと両立できそうにないから……かな」



「彩城さんなら、器用になんでもこなせると思うけどな」



「そんなことないよ。バイトもしてるし、生徒会やら、文化祭実行委員やらで、余裕がないだけ」



「彩城さん、存在感あるもんな」



「大東君はあたしなんかよりずっと存在感あるんじゃない?? だって、ほらっ」



あたしはそう言って、廊下にいる女の子たちに視線を向けた。



それに合わせるように、大東君もあたしの視線の先に目を向け、



ここでやっと廊下の女の子達の存在に気づいた。