無意識にそんな大東君の横顔に見とれてしまいそうになっていると、



「あのさ、何か分からないことあったら、彩城さんに聞いていいかな？」



こっちを向かれて、そう聞かれて、我に返った。



内心、見とれてたなんて、気づかれてないかな？？って思いながらも、



「うん。なんでも聞いてね」



なんとか冷静な笑顔を作ってみたあたし。



「ありがとう。助かるよ。彩城さん」



大東君の形のいい唇が口角を上げた。



“転入生が来た”



“イケメンの大東君”



こんな話題ってのは、あっという間にクラスを越え、学年中に広がっていく。



「どこ、どこにいる？？」



休み時間、他のクラスからも、大東君の席に次々に集まってくる女の子達。



「キャっ♪　マジで超イケメンなんだけど♪」



席に座っていた大東君は、すぐに沢山の女の子達に囲まれてしまった。



その隙間からわずかに見えた大東君は、



少し戸惑って困ったような表情をしているようだった。