クラスの視線を浴びながら、自分の席に着く大東君。



「えっと、彩城……さんだっけ? 宜しくね」



「えっ、あ、はいはいっ」



ふいに微笑まれ、思わず焦ってしまったあたし。



だって、近くで見た大東君が、あまりにも綺麗な顔だったから。



細い体つきに、スラっと伸びた背。



やわらかそうで、少し茶色みがかった髪色。



男の子らしいって言葉とは無縁な感じで、



どちらかというと女の子のように繊細な雰囲気を持っていた。



見れば見るほどに、綺麗な顔立ちをしていた。