朝のチャイムが鳴り終えるのを教室で聞くのは久しぶり。



教室に入ってきた黒崎先生は、教室の中を見渡すようにして、



「おっ、彩城、今日はちゃんといるな」



一番後ろのあたしの机まで来て小さくつぶやいた。



「さすがに今日は遅刻出来ませんよ」



そう言って、見上げた黒崎先生は、



「今日に限らず、この調子で頼むぞ」



と、あたしの肩をポンポンっと叩き、少しだけ微笑んだようだった。



そして、教壇に戻って、いつものように出欠を取り終えた黒崎先生。



「さぁてと、今日はな、みんなに紹介したい生徒がいるんだ」



その言葉にクラスの中がざわつき始めた。



「さぁ、入りなさい!!」



黒崎先生の声に、クラスのみんなが見ている中、ゆっくりと扉が開いた。