アンナは、体育館の外階段に座りこみ、タオルで汗を拭いていた。



「月魅ぁ~~。こっちはさぁ、練習キツすぎてさ、疲れてバテバテだよっ」



アンナは額に薄っすらと汗を光らせながら、、



置いてあったペットボトルをひと口飲んだ。



「ってかさ、黒崎の呼び出し、マジで行ったんだ?? 相変わらず、そういうとこは真面目だよね、月魅は」



部活には入っていないあたし。



だから、普段なら生徒会の用事以外で放課後まで学校に残ることはない。



「だって、行かなきゃ、あとあと面倒だし……」



「ははっ、黒崎、月魅を呼び出すなんて、もしかして月魅のこと気に入ってるんじゃない??」



「なにそれ?? ありえないって」



「でも、ありえたりするかもよ。彩城さん、綺麗だもんねぇ。それでいて性格もいいし!!」



そばにいたアンナの友達のひとりがそう言うと、他の子も次々にみんな頷く。



「ホントにそんなんじゃないって!!」



アンナは笑いながら、タオルを首にかけた。



「そう言えばさ、黒崎、何か言ってなかった??」



「何かって、何を??」



「今もその話題で盛り上がってたんだけどさ、噂なんだけど、今度うちのクラスに転入生が来るらしいんだよね」



「転入生??」