幼なじみな彼☆ふたりのHappy Birthday

「とにかくもうこれ以上、遅刻はするなよ!! それと約束の反省文はしっかり書いて必ず提出するようにな」



「反省文かぁ……はい、分かりました」



遅刻の回数で決まる反省文。



さすがに今朝の遅刻で反省文決定。



まったく何を書けばいいってのか……。



「さぁ、もう帰っていいぞ」



話を終えた黒崎先生は、



ふと思い出したように腕時計を見た。



「おっ、もうこんな時間か。俺もそろそろ練習に顔出さないといけないんだが……」



と、立ち上がって窓からグランドを眺めた。



「まぁ、俺がいなくても、ミナトがちゃんと部員をまとめてくれるからな」



遠くに見えるサッカーゴールの前で、



部員達のシュート練習を仕切るミナトを見て、黒崎先生がつぶやく。



「ミナト先輩って、サッカー部の部長なんですよね?」



「ん?? そうだよ。俺から頼んだのもあるが、部員が全員一致でミナトを選んだんだ。部員全員の信頼を受けるってのは、あいつくらいだろうな」



「へぇ……そうなんですか」



「ん、なんだ?? もしかして、彩城もミナトが好きなのか??」



「違いますよ!! あたしは、そ、そんなんじゃないですっ」



いきなりの言葉に、必要以上に大きな声を出してしまったあたしを、



黒崎先生はフッと優しく笑った。



「あいつのファン多いから、てっきりお前もかと思ったよ。まあ、男の俺から見ても、あいつはいい男だと思うぞ」



黒崎先生からは、さっきまでの硬い表情が消えていた。