幼なじみな彼☆ふたりのHappy Birthday

黒崎先生の話に適当に返事をしながら、あたしの視線はすっかり窓の外。



グランドの周りを何周も走っている陸上部。



野球部やラグビー部もいて、



職員室にまで聞こえる掛け声。



こうして見ると、他の部活に比べて、



明らかに部員数が多いサッカー部。



その中でも、自然と目に入るミナトの姿があった。



ミナトは、あちこちに駆け回って、大きな声で練習の指示を出していた。



「おい、聞いているのか？？」



よそ見をしているあたしに気づく黒崎先生。



「お前には欲ってのがないのか？？　成績のいい優等生なら、普通こういう状況なら俺を納得させるためにも、きちんと俺を見ながら話を聞くだろっ？？」



黒崎先生の不機嫌そうな声に、



「えっ、あ、はい。すいません」



慌てて、ミナトから視線を外し、黒崎先生に戻した。



そんなあたしに、黒崎先生は、半分呆れたような様子でため息をついた。