幼なじみな彼☆ふたりのHappy Birthday

「彩城、お前は自覚がなさすぎるぞ!!」



職員室にいるってだけでも落ち着かないあたしを、



いつになく真剣な黒崎先生の切れ長な目が、ジッと見つめていた。



「……自覚……ですか?」



怒られるのは覚悟していたけど、



あたしには全然真剣に聞く気なんてない。



「そうだ。自覚が足りないんだよ。彩城は成績も学年トップ、このまま行けば大学だって、かなりのところを狙える!! 行きたい大学もあるんだろう?? 」



「……まぁ、ありますけど」



嘘、嘘……まだ何も決めてなんかないあたし。



「それに生徒会の役員もやっているんだから、先生達からだって、もっと大きく言えば、この学校からだって期待されているんだぞ」



「……はぁ……」



生徒会役員だって、推薦されて仕方なくやってるだけ。



「“はぁ”じゃないだろ?? もっと自覚を持って行動しなさい。だからこそ、遅刻はダメだ、遅刻は!!」



いつまでも熱く語ろうとする黒崎先生。



「はい、気をつけます……」



職員室の窓側にある黒崎先生の机。



窓から風が入るたびに、白いカーテンが揺れる。



あたしの座った場所からは、学校のグランドが見渡せた。