幼なじみな彼☆ふたりのHappy Birthday

「朝、俺のせいで遅刻になっちゃったよね?? ごめんね。どうしてもそれを謝りたくて」



「まぁ、そうですけど……」



「俺、放課後は毎日練習だし、朝しか月魅ちゃんと話せるチャンスがないって思ってさ……月魅ちゃんの都合も考えずにごめんね」



「もう別に気にしてませんから」



「……あと、俺、真剣だから……。返事、考えてほしいんだ。ゆっくりでいいから。俺、待ってるからさ」



「でも、あたし……」



「俺、待つの苦手じゃないから。月魅ちゃんにも真剣に考えてほしいんだ。こんな気持ち、初めてなんだよ」



そう言い終わると、照れくさそうな、なんとも言えない、はにかんだような表情を見せるミナト。



あたしにはその感覚は分からないけど、



普通ならこんな時にキュンとしたりするのかな??



この人のモテる理由のひとつなんだろうね。



本人はまったく自覚してなさそうだけど。



「俺、待っててもいいかな??」



そんなミナトを前にして、



すぐにはっきりと断ろうと思えば出来たはずだけど……。



「あ、はい……」



気がつくと、あたしはそう言って、微笑み返していた。



男の子にこんな風に答えたことがなかったせいか、



とっさの自分の反応に戸惑うあたし。



「部長~~!!」



遠くのほうから、ミナトを呼ぶ声が聞こえ、



「あ、ヤベっ、じゃあ、練習始まる時間じゃん。じゃあね、月魅ちゃん」



急いでグランドへと走っていくミナト。