幼なじみな彼☆ふたりのHappy Birthday

重い足取りで、階段を降りていくと、



「月魅ちゃんっ」



聞き覚えのある声が聞こえて、



視線を向けるとその先には、



サッカー部の練習着に着替えたミナトがいた。



たくさんいたサッカー部の部員の中でも、



すぐにミナトがどこにいるのかが分かる。



今まで存在すら知らなかったことが不思議なくらい、



たしかにミナトは、その容姿からか目立っていた。



部員たちの輪の中から抜け出し、あたしの前まで来て笑顔を見せるミナト。



「よかったぁ。月魅ちゃんに会えて!!」



制服の時のなんだかチャラついてる印象とは違って、



ブルーのTシャツに白い短パンが良く似合っていた。



「月魅ちゃん、あのさ……」



サッカー部の部員たちの視線を意識しているのか、



ミナトは、少し恥ずかしそうにしながら、薄っすらと頬を赤くした。