幼なじみな彼☆ふたりのHappy Birthday

「じゃあね、アンナ~~、バスケ、頑張ってね」



「大会も近いし、さぼれないからさぁ……。月魅は呼び出しだっけ??」



「うん。でも、面倒くさいし、行かなくてもいいかなぁって」



部活があるアンナに手を振って、



このまま帰ろうかと思った瞬間、



「彩城、帰りに職員室に来るようにって言ったよな!! まさか忘れてはいないよな??」



すぐそばで、低い黒崎先生の声がした。



「えっ……あ、はい……」



振り向くと、厳しい表情でこっちを見ている黒崎先生。



「かったるいからって、逃げるなよ」



そう言って、あたしの横を通り過ぎて行った。



まるでタイミングを見計らったかのようで、



「はいはい。ちゃんと行きます」



仕方なく、そう言うしかなかったあたし。



やっぱり行かなきゃダメかぁ……。



職員室で遅刻指導なんて考えただけで怠い。



「ごめん、やっぱり先に帰ってていいから」



「え、待っててあげるよ。いいの?? 」



「黒崎先生って、なんか月魅に厳しいよね」



「うん。まぁ、遅刻するなって言われてたし、とりあえず職員室行ってみるよ。また明日ね……」



香奈と麻理に手を振って、気の進まないまま、職員室へ向かった。