でも、こんな自分を小さな頃のあたしはきっと想像していたんだよね。



“優君のお嫁さんになる”



そう、あの頃のあたしの願い。



それが今日叶うってことなんだ……。



「彩城様、申し訳ございません。お時間がせまっておりますので……」



休む暇もなく、スタッフにひとりに声をかけられて、



「あ、はい……」



慌ただしく場所を移動したのは、礼拝堂の入口の扉の前。



簡単な流れの説明を受けると、



「早速ですが、入場となりますので……」



「えっ、もうですかっ??」



「はい。入場をお願いいたします」



スタッフの声と同時に、ゆっくりと開いていく目の前の扉。



重厚な扉が開き終わると、一気に視界が明るくなった。



そして、その向こうに見えるバージンロードの先には、



真っ白なタキシードに身を包んだ優君の姿が見えた。