勢いよく階段を降りて、出口へ向かう途中、



「えっ、今の大東優星じゃない??」



「ヤバい、ヤバいっ。追いかけようよ」



何度か騒がれて、囲まれそうになったけど、



「ごめんね、急いでるからっ」



なんとかタイミングよくすり抜けることが出来た。



「あ~~あ。イケメンコンテストまで観たかったけどな……」



校門のところまで来ると、残念そうにつぶやいく優君。



「どっちにしても、コンテストがある後夜祭までいられなかったと思うし、仕方ないよ」



「……ってかさ、前から気に入らなかったんだけど、黒崎って、なんか月ちゃんに馴れ馴れしいよなっ」



「ひょっとして、それでさっき、黒崎先生の前で不機嫌そうだったとか??」



「だって、月ちゃんに触ったじゃん、あいつ……」



「ははっ、そうだっけ??」



「笑い事じゃないって!!」



懐かしい学校の景色、あたしのそばには優君がいて。



こうして、あの頃と何も変わらないようでも、



今のあたしたちは、高校生の頃とは明らかに違う。



それを今日はすごく実感した気がした。