黒崎先生はそのまま、あたしの前に立ち止まると、



「彩城、元気だったかぁ??」



大きな手の平で、あたしの頭をクシャクシャっとした。



ダークグレーのパーカーにジーンズの黒崎先生。



「黒崎先生、全然変わってない!!」



あたしの記憶にある黒崎先生そのもの。



「それは相変わらず若いってことか??」



あたしの反応を都合よく解釈して、ひとりで嬉しそう。



「はいはい……まぁ、そういうことにしておきます」



「ハハハっ、どうだ?? 大学は??」



「まぁ、楽しく通ってますよ」



話し始めて、すぐに優君に気づいた黒崎先生。



「ん?? 彩城の後ろにいるのは、もしかして……大東か??」



「はい、先生、お久しぶりです」



優君が頷いて頭を下げると、



「やっぱり大東か。大東っ、お前すごい活躍じゃないかぁ!! 」



おいおい……黒崎先生、声が大きすぎませんか……。