幼なじみな彼☆ふたりのHappy Birthday

「今日出掛けるなら、絶対ここだって思ったんだ」



水族館の看板を見ながら、優君が言う。



やっぱり水族館の前にも誰もいなくて、



「優君、ここって、今日休みなんじゃない??」



心配して立ち止まったあたしの手を握ったまま、



「違うよ。大丈夫だって。さぁ、入ろうっ」



優君が入口の自動ドアに足をかざすと、



「ほらね♪」



普通に開いた自動ドア。



それでも館内にも人の姿はない。



「いらっしゃいませ!!」



「大東です」



「あ、はい。 大東様、お待ちしておりました」



あたしたちを出迎えてくれる水族館のスタッフが数人いるだけ。



「……どういうこと??」



「今日は貸し切りだから……俺たちだけなんだ♪」



「貸し切りって……嘘でしょ??」



驚くあたしに笑顔を向ける優君。