幼なじみな彼☆ふたりのHappy Birthday

「ここって……」



「うん。ちょっと懐かしくない??」



目の前には見たことのある場所。



「さぁ、行こっ、月ちゃん♪」



あたしに手の平を差し出す優君。



着いたのは、いつだったかふたりで来た水族館。



「平日だからかな?? 全然人がいないね」



歩きながら、人が少ないことに気づいた。



いくら平日でも、人気のあるこの場所に人がいないなんておかしい。



「大丈夫、大丈夫♪」



あたしの手を引っ張るように、入口へと急ぐ優君。



まだ付き合ってもいなかったあの頃のあたしたち。



小さな頃にママたちと一緒に来たこの水族館を、



高校生だったあたしと優君は、



その記憶をたどるようにしながら歩いたっけ。