「また連絡するから……」



そう言われて、優君を見送るこの時間は1番嫌い。



明日は午前中から撮影がある優君。



「泊まっていけばいいのに。遠慮することないのよ」



ママの言葉に、残念そうに首を横に振る優君。



「明日も早いので、今日はこれで失礼します。おじゃましました」



さっきの優君が嘘みたいに、



そこには、もういつもの爽やかな優君に戻っていた。



その笑顔を間近で見たママは、顔を赤らめる。



「大変なのね。応援してるから。また来てね、優君!!」



優君はまたニット帽をかぶって、



ママに頭を下げると、迎えに来た車に乗った。