「月ちゃん、今日、急に時間出来たんだけど、会えるかな??」



最近のあたしの予定は、いつも優君のスケジュール優先。



「うん♪」



まだまだ役者としては、これからの優君。



それでも、持ち前の容姿を活かした天職なのかもしれない。



少しずつ増えていく仕事とともに、



あたしと会える時間は確実に減っているけど、



それであたしたちの気持ちが変わるなんてことはないから。



「じゃあ、俺が月ちゃんちに行くよ」



「待ってるね」



約束しても突然のキャンセルなんてのもある。



だけそ、そんな時は何度も申し訳なさそうに謝ってくる優君。



「もう1本、ドラマが決まりそうでさ!! その打ち合わせが入っちゃってごめんっ、マジでごめんね」



たとえそうなっても、あたしは決して怒ったりはしたくない。



優君が、こうして前を見て頑張れることは、あたしが望んでいたことだから。