幼なじみな彼☆ふたりのHappy Birthday

優君の手術の日、



いつも通り学校へ行ったけど、



結局、いてもたってもいられなくなったあたしは、



学校を早退してそのまま病院へ向かった。



「じゃあ……行って……くる」



麻酔が効き始めているから、ゆっくりとした口調で、



手術室に向かう優君は、微かに笑ったように見えた。



「うん……いってらっしゃい……優君」



あたしが握っていた優君の手を放すと、そのまま手術室へと運ばれた優君。



手術室の前で立ちすくみ、閉まった扉を見続けていたあたしに、



「あとは先生にお任せするしかないのだから、さぁ、座りましょう」



優君ママは、そっとあたしの背中を支えるようにして、



待合室のソファーに座らせてくれた。



緊張で朝から何も喉を通らなかったあたしに、



「これ、よかったら飲んで」



紅茶を持ってきて、手渡してくれた。



「来てくれて、ありがとう。これから長い時間、待つことになるけど、大丈夫??」



あたしなんかよりもずっと落ち着いた様子の優君ママ。