幼なじみな彼☆ふたりのHappy Birthday

「そう言えば、彩夏ちゃん、学校辞めたんだってね」



最近見かけないなぁとは思っていたら、



ついこの前、誰かがそんなことを言っていた。



理由は、“お母さんが重い病気で、実家に帰って療養するお母さんに付き添う”
というものだった。



「どうでもいいよ。俺たちには関係ないし」



あの時、男にあたしを襲わせようとしたことは、たしかに最低で酷いと思う。



今でも時々、あの時のことを思い出してしまうこともあるし、



これからもきっと忘れることはない。



出来ることなら、もう封印したい出来事。



だけど、彩夏ちゃんが優君に言っていた、



“病気のお母さんを支えている”っていうのは、嘘ではなかったってことになる。



「なんで、あの女のことなんて気にするんだよ……」



どんな形であれ、優君を好きだった彩夏ちゃん。



「もしかしたら、思っているほど悪い子じゃなかったのかもしれないなって……思ったから」