幼なじみな彼☆ふたりのHappy Birthday

あたしが、ひと通り説明を終える間、



ずっと黙ってあたしの言葉に耳を傾けていた優君。



「……それ、俺のせいじゃん」



そう言って、テーブルの上で拳をギュッと強く握った。



サッカー部の部室の話になると、さらにその拳をテーブルに打ち付けた。



全部話し終えたあたしを、とても悲しげな目で見ている優君。



「マジで俺、彼氏として失格だな……。月ちゃんのこと守るって言っておきながら、全然守れてねぇじゃん」



悔しそうにそう言った優君は、さらに言葉を続けた。



「あの子の嘘も信じ切って、励ましたりしてさ、その分、月ちゃんにこんな思いまでさせて……」



「でもミナト先輩が来てくれたから……」



優君は、ミナトの名前に少しだけ顔をしかめたけど、



「またあいつか……でも今回はマジであいつのおかげで助かったんだもんな」



と、小さくつぶやくように言った。