あたしと優君が付き合いはじめてから、



優君の周りにいた女の子たちは、ほとんど姿を見なくなった。



だけど、この彩夏ちゃんだけは違っていた。



あれほど、明るかった髪色も戻して、



濃かったメイクも薄っすらとしたナチュラルメイクの彩夏ちゃん。



見るからに“ギャル”だったはずが、今ではすっかり“清楚な女の子”



それって、優君好みに少しでもなろうとしてるってこと??



「優星君~~♪」



前よりも積極的に見えるのは、あたしだけ??



わざとらしい甘ったるい声が、今日も優君を呼んで、



あたしと一緒にいる時でさえ、



彩夏ちゃんに呼ばれれば、



“月ちゃん、ごめん、ちょっと行ってくるね”



と、彩夏ちゃんのほうに行ってしまうこともあった。