だけど、嬉しいことばっかりじゃない。



あたしなりに悩みもあったりする。



「ねぇ、月魅、あの子また来たよ」



香奈が指指す先に見えたのは、



「本当だ。彩夏って子でしょ?? 懲りないねぇ」



前から優君を好きな彩夏っていう女の子。



「もう大東君は月魅と付き合ってるんだから、いい加減諦めればいいのにね」



麻理も冷たい視線でそっちを見た。



優君にベッタリ寄り添いながら、何か話し込む彩夏ちゃん。



あたしたちの視線に気づいたのか、



わざと優君の肩に触るような素振りを見せた。



「大東君も迷惑ならそう言えばいいのに……なんで言わないのよ」



麻理の言うとおり、あたしも最初はそう思ってた。



だけど、優君からの言葉で納得するしかなかったんだよね。