数日後、退院が決まった優君。



退院の日、あたしは優君ママと一緒に病院に迎えに行くことにした。



「もう心配させないから……」



優君は、あたしの姿を見つけるなり、そう言って、抱きしめてくれた。



「うん……絶対だよ」



優君ママは、そんなあたしたちを見て、



「全く、ここは病院なのよ」



と、呆れたように言いつつも、なんだか嬉しそう。



久しぶりに見る優君の私服姿。



ずっとパジャマを着た優君しか見てなかったから、なんだか新鮮。



すごくラフな格好なのに、優君が着ると不思議とオシャレに見える。



「やっぱ、外は寒いなっ」



外に出ると、優君は着ていたコートの襟を立てながら、つぶやいた。



病院からの帰り、優君ママの運転する車の中でも、



優君はあたしの手を握りながら座った。