それから少しの時間、優君ママと一緒に過ごした。



優君は少し不機嫌そうにしていたけど、



それはきっと照れくさいだけ。



優君が優君ママにすごく感謝しているのが伝わってくるから。



辛くて大変な治療もこうして乗り越えられるのは、



優君ママの支えがなければありえないこと。



それは誰よりも優君自身が分かっているはずだから。



「全く優星ったら、寝ても起きても“月ちゃん”“月ちゃん”ってね。寝言まで言ってるくらい、月ちゃんが好きなのよねぇ」



「えっ……そうなんですか??」



「母さんっ、もううるさいって!! 少しは黙ってくれない??」



「あらっ、だって本当のことじゃない♪」



ここが病院だってことを忘れてしまいそうになるくらい、



笑ったり、感心したり、なんだかとても楽しかった。