「うわぁ、ママ、これ見て!! 月ちゃんがくれたんだ♪」



中から出てきたのは、あたしの手作りのミサンガ。



色は優星の好きな青と赤で編みこんで、



不器用なあたしが何日もかかって、



優星の引っ越し当日の朝に、やっと作り上げたもの。



「よかったわね!! 大事にしなきゃね」



「うん。これは今日から僕の宝物だよ」



優星はミサンガを握りしめるようにして、そう言った。



「月魅は、いつ作ってたのかしら?? そういえば、今朝までなんだかバタバタしてたけど」



ママにも内緒にして、一生懸命作ったミサンガだった。



ママたちは、お別れを惜しみながらも再会の約束をしていた。



その間も先に車に乗り込んでいだ優星は、



ずっとあたしがあげたミサンガを手に持って眺めていたって、



あとからママに聞いた時は、なんだかすごく嬉しかったんだ。