大成功に終わった文化祭。



実行委員としての役目は無事に終了。



本当ならそれで終わりだったはずだけど、



それからのほうがあたしにとっては大変の連続。



文化祭のあとからは、お互いに子供の頃みたいに、



“優君”“月ちゃん”と呼び合うようになって、



どちらからというわけでもなく、距離を縮めたあたしたち。



文化祭で話題独占だった後夜祭でのイケメンコンテスト。



あれだけ目立ってしまったのだから覚悟はしてたけど、



思っていた以上に、みんなの関心はあたしと優君に向いていた。



“ねぇ、どういうこと？？　大東君と月魅って幼なじみだったの？？”



“少しくらい綺麗だからって、彩城さん、調子のってない？？”



人気のある二人が相手だからこその、嫉妬や妬み。



“優星君とは、このままノリで付き合っちゃうで感じ？？”



“ひどくない？？　ミナト先輩はどうなっちゃうのよ？？　”



学校にしても、気が休まるのは、香奈と麻理、アンナの前でだけ。



“何かあったら俺に言って”



優君は優しく言ってくれてはいても、



付き合っているわけではないし、



なんとなくあたしからは言えないでいた。