いつもの明るい笑顔が消え、すっかり元気を無くした優星



「ねぇ、優君、元気出して!!」



それから、引っ越しまでの数週間、



あたしはそんな優星を気遣うように、無理にでも明るく振る舞った。



「月ちゃん、ずっと一緒にいようって約束……守れなくなっちゃったよ。ごめん……ごめんね」



うつむき加減で、悲しそうに何度も何度も謝る優星。



「パパのお仕事の都合じゃ仕方ないよ。優君が悪いんじゃないから、ねっ」



あたしは、なるべく自然な笑顔を作って、にこっと笑って言った。



ここであたしまで悲しい顔をしたら、



余計に優星が辛くなるって、子供ながらに感じ取っていたんだ。



「うん……でも、本当にごめんね……」



「きっと、また会えるよ。だから大丈夫だよ」



「絶対、絶対、僕は月ちゃんに会いに行くよ。それまで待っててくれる??」



「うん。待ってる……ずっと待ってるよ」



「ありがとう。月ちゃん!!」



あたしの笑顔につられて、優星にやっと笑顔が戻った。



でも、本当はあたしだって泣きたいくらい悲しかったんだ。