顔を真っ赤にして叫ぶ女とは真逆に尚希は、冷静な声で言った。
「悪いけど……行けねぇーわ。」
断ったのが、ちょっと意外で少し驚く。
女を見ると、ますます顔を赤くさせた。
(何でよ!?
この女より、あたしの方が先に約束したじゃない!!)
そう言って、あたしに指を向ける女。
すると、尚希は面倒くさそうな表情をして女を見た。
「ハッ?
当たり前だろ。
だって、コイツは俺様の女なんだよ。」
グイッ……
そう言って、掴んでいた腕を引っ張って引き寄せた。
(………っっ………
尚希は、この女が好きなの!?)
身長差が、あるあたしは見上げて尚希の顔を見た。
「さっきも言ったけど、コイツは俺の女。
俺様は、捺海にマジで惚れてんだよ。」
抱き締められているせいか、尚希の声が真上から聞こえて来る。
「後……もう、俺お前らを抱りしねぇーから。」
えっ…………?
驚いて顔を上げると……尚希の表情は、真剣な表情をしていた。
(何でよ……!?)
「そんなの決まってんだろ。」
尚希は、そう言ってあたしを見下ろした。
「俺は、コイツの悲しむ顔は見たくねぇーんだよ。
俺様は……コイツに笑っててもらたい……だから、俺様は捺海以外はもう触れない。」
尚希は、そう言ってフッと笑った。
そんなことを言われて当然、あたしはー……
キュンとした。