重なった唇を離すと、あたしを見下ろす尚希と目が合う。
そして、あたしは…………目に涙を溜めながら尚希と微笑み合った。
「帰ろ、あたし達の家に」
「あぁ……帰ろ、俺達の家に。でも、その前にやることが2つあるんだ」
尚希の言葉が、理解できないあたしは「やること?」と言って首を傾ける。
すると、尚希は麗子さんの父親と母親の元へと向かった。
「高宮社長、見ての通りです。私は……あなたの娘さんとは結婚しません。
それに、今回の件は見過ごす訳にはいかない。なので、婚約の件はなし……と言うことでよろしいですね?」

