あたしよく我慢したな……普段のあたしなら相手が金持ちだろうと絶対殴ってたわ。
濡れた服を脱ぎ目の前にあった鏡に目が入り見つめる。
「…………」
この跡……尚希が、付けたやつだ。
首筋、鎖骨、胸、腕……まるでピンク色の花びらが舞い散ってるよう。
「……付けすぎだっつーの」
その跡を見るたび、触れるたび、あの頃の愛しくて愛し合っていた記憶が蘇る。
尚希は……父親に付けられた醜いアザを隠すかのように沢山キスを落とした。
その時の尚希は、凄く優しくてまるで壊れた物を扱うかのようだった。
それを感じる度にあたしは、思う……
あぁ……あたし、愛されているなって。

