「うーん……ちょっと、地味ね。



わたしには、似合わないわ。この服いらない」





「かしこまりました」






なんでも、自分の思い通りにしてきた。




わたしに逆らう人なんて一人もいない。






だって、わたしはー……高宮財閥の一人娘だから。





そして、わたしが9歳の頃。一人の男の子と出逢った。






「せいりゃく…けっこん?」






「そうよ。麗子ちゃんは政略結婚するの。



お相手は、あの世界的に有名なあの小野原財閥の跡取り息子さんなのよ!」






そう言われたわたしは、両親の言葉がよく分からなかった。





小さいわたしにとって、政略結婚とか婚約者とか……そんな難しい理解できなかった。