きっと、俺のことを気にかけ嘘をついているんだろう。 けど俺は、本当のことを知りながらも知らないフリをした。 「今よりよくなったら久しぶりに海外に行きたいわ。 そうだ、尚希と“捺海”さん三人でー……あっ」 今……捺海って言ったか? 一瞬、聞き間違えかと思った。けど母親のしまったという顔を見て確信した。 なんで、捺海のことを知っているんだ? 俺は、捺海のことは小野原家の人間には一人も言っていない。 「なんで、アイツのこと……」 「尚希の誕生日パーティーの時……偶然、捺海さんと会ったの」