「ハァー………いつまで、しょげてんだよ。」
呆れた表情をする尚希。
「だってー……初デートなのに……
オシャレしてないし……」
「何?
お前、そのぐらいのことで気にしてたんかよ?」
尚希の言葉にあたしの動きが、ピクリと止まる。
酷い!!酷過ぎる!!
コイツは、女心が全く分かってないっ!!
「だって、デートなのにオシャレしてないとか嫌じゃないの??」
そうだよ!!
彼女が、オシャレしてなかったら嫌でしょ!?
それに、お前ホストでしょ?
ホストって結構見た目とか周りの目を気にするもんでしょ?
「お前……俺様が気にすると思ったのか?」
尚希は、あたしの方を向いて言った。
「えっ……?」
意外な言葉に尚希の整った顔をジッと見つめる。
「俺様が、そんな女の格好をいちいち気にするような奴に見えねぇーだろーが。」
尚希は、そう言ってあたしの顔を見つめ返した。
「…………ごめん……すごい見える。」
「「………………………………………」」
微妙な雰囲気が流れたが、直ぐにその雰囲気は尚希によって壊された。
「まぁ、とにかく。
格好なんて、どうでも良いだろ。
俺と捺海が、楽しめて良い記念になればそれで良いんだよ。
格好なんて関係ねぇーよ。」
おっ、おぉぉぉぉぉ…………!!!!
こっ、コイツ珍しく良いこと言ったよ!!
ちょっと感動したかも。